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自分で考えてやれるのが社長。それが面白くて楽しい

株式会社ラブリーナ:和澤 佳奈さん

起業のきっかけ

親や親戚に商売関係の仕事をしていた人が多かったせいか、10代後半から漠然と何か商売をやりたいと思っていました。19歳のある日突然、「いずれ商売をやる! それに向かって経験を積む」と決心して、父親に宣言したんです。それからは会社員として働きながら、経費などを意識して見るようにしていました。カフェ経営も考えていたので、レストランで食事しても、おしぼりの値段を考えたり、器の仕入先をお店の人に聞いたりしていましたね(笑)。

和澤 佳奈さん

転機は26歳。会社をやめて無職になり、しばらく家にいる期間が続くうちに悶々としてきて。「もう何かやらずにいられない!」とエネルギーが一杯一杯に膨れ上がったんです。そこで、アメリカ、韓国、中国、タイと旅して卸市場を回り、好きな雑貨や服を見て回りました。帰ってきてよくよく考えると、服は競合が多く勝てる気がしないし、資金もかかる。思いついたのが「ネイル」でした。海外で見た価格を考えると、利益率が高い商売ができる、と直感しました。

会社経営をしている友人に相談してみると、手元の資金ですぐにやれそうなのはネットショップでした。知り合いの紹介で事務所を借り、楽天市場の出店権利を取得。当時パソコンは全くできなかったので、楽天のコンサルタントに電話で指導を受けながらなんとか開店にこぎつけました。この電話コンサルだけが頼りでしたが、オープンから1か月後に初めて商品が売れてからは順調に毎年売上が伸びていきました。今では取扱い商品は約6000種に。初心者だったネットショップは、商品セレクト・画面構成のほぼすべて、撮影・デザインの半分は私が行っています。「買いたくなる」画面づくりにこだわり、時間や空腹すらも忘れて心血を注ぎ込んでますね(笑)。

ネットショップ

成長するために心がけていることは?

ビジネスを学ぶために、会社設立後すぐに大阪に事務所を持ちました。東京より家賃が安く、商売や商材が手に入りやすい。刺激の多い現場で自分を鍛え、「ここでやれたらどこでもやれる」という手応えをつかみたかったんです。大阪では、営業マンのセールストークも勉強になります。値下げを前提にした価格設定、シビアな場面でも相手の機嫌を損ねない交渉術とか。また、社会保険労務士さんからは従業員への接し方を学んでいます。経営者として毅然として伝えるべきことは伝えつつも、相手の立場を思いやりながら言葉に気を使うことなど。自分の思いそのままに注意したりせず、客観的に全体を見て行動するようになりましたね。

金沢でお世話になっている税理士さんからは、経営面で教えていただくことが多いです。経営については、常に基本に忠実でありたいと思っています。教科書どおりの成功ラインの数字があれば、それを達成するために何をすればいいかを考えて実行し、結果を出す。その繰り返しが会社経営だと、今は考えています。

最大のピンチは2016年の予期せぬ大ヒットでした。金属のような艶感を出す新アイテム「プレイフルパウダー」が大評判となり、スタッフ2名で出荷待ち700~800人の状態に。連日徹夜で対応しましたが、お客様をお待たせし、楽天市場からも注意を受ける事態となってしまいました。それをきっかけにスタッフを7名に増やし、WEB制作、受発注、梱包発送、商品開発など分野別に人を配置し、どんなことにも迅速に対応できる体制を整えました。「もう二度とあんな目に会いたくない」。こうしたピンチから大きな教訓を得ることになりました。

プレイフルパウダー

今後の展望

私にとっての挑戦はまさに始まったばかり、これからが本番です。今は毎日が忙しくやりがいを感じる余裕はまだないですが、「どんどん私らしくなってる」とは感じます。売上の伸び、自社ブランド開発と、これまでの目標は着実に達成して形にしてきました。今後もネイルだけで行こうとは考えていません。私は経営が好きで、社長であり続けたい。そのために目の前にあるチャンスは逃さず必ずゲットしたいんです。少なくとも60歳までは、商売として成り立つものに感度を立て、ちゃんと利益を出せるものに取り組んでいこうと思っています。

目下の一番の目標は、自社ビルを地元の金沢で持つこと。7階建てビルで1階はラブリーナショップにします。自分が生まれ育った石川は自分が戻ってくるべき大事な場所。そこで実店舗で結果を出してみたいですね。

message/ 女性先輩起業家からのメッセージ

走り続けてきて思うのは、会社をやるということは「腹をくくる」という言葉に尽きます。泣きながらでも怒りながらでも、やるべきことをやるしかない。お客様や従業員に対して、それだけの責任が伴うということです。経営者の中にはよく、師匠とあおぐ方やお手本とする方がいたりしますが、私にはそういう方はいません。自分のやりたいようにやれるのが、経営の面白みや楽しさではないでしょうか。

「自らが考え実行していく」。少なくとも私は、社長として生きる最大の喜びはそこにあると思っています。

profile/ プロフィール

株式会社ラブリーナ:和澤 佳奈さん

私にとっての挑戦はまさに始まったばかり、これからが本番です。今は毎日が忙しくやりがいを感じる余裕はまだないですが、「どんどん私らしくなってる」とは感じます。売上の伸び、自社ブランド開発と、これまでの目標は着実に達成して形にしてきました。今後もネイルだけで行こうとは考えていません。私は経営が好きで、社長であり続けたい。そのために目の前にあるチャンスは逃さず必ずゲットしたいんです。少なくとも60歳までは、商売として成り立つものに感度を立て、ちゃんと利益を出せるものに取り組んでいこうと思っています。

目下の一番の目標は、自社ビルを地元の金沢で持つこと。7階建てビルで1階はラブリーナショップにします。自分が生まれ育った石川は自分が戻ってくるべき大事な場所。そこで実店舗で結果を出してみたいですね。

※2017年度取材

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